この1年の国家銀行の金利制度の影響で、製品単価が2倍にはね上がった。調達金利(預金金利)が国家銀行に抑制される一方で、貸付金利が銀行独自で決められるためだ。財政政策は銀行利益を重視理論上、金利の差が3~4%になれば銀行は儲かる。ただ、ここのところその差が8~10%に引き上げられており、銀行が大幅黒字、預金者は損を被り、企業が苦境にあえいでいる。
ハノイ市スーパーマーケット運営協会会長-Vu Vinh Phu氏は、「ベトナム以外にこんな金利制度を適用している国は聞いたことがない。特に、経済状況が停滞し、在庫も多く、消費力が減少しているにも関わらず、この状況は異常である。」と語った。
財政政策について、預金金利の上限制度がある場合、貸付金利についても上限制度も適用する必要がある。しかしベトナムでは、貸付先に優先順位を付けて金利制度を適用しているのだ。
その他、政府政策や情報公開も必要である。政府は、市場の支配権や独占権を持っている企業に対し、売価をコントロールすべきである。
Ngo Tri Long博士・経済専門家は、金利の引き下げだけでは大勢に影響しないという。
金利を下げても企業が資金を借りられなければ意味がないのだ。現在の問題は、企業が取引先を見つけられず大量の在庫を抱えてしまっている。年末までにこの状況が改善されない場合、企業が新しい資金を得ることはできない。生産活動は中止に追い込まれ、消費力も弱まり、経済成長はさらなる停滞に陥るだろう。来月のCPIは、更に下がる見込みである。この状況は年末まで続く可能性が高い。
銀行は企業を救済できるか、共倒れの可能性も
国家銀行の統計によると、6月30日までの新規資金貸付額は、昨年末より0.76%増加しているという。さらに企業社債に投資された資金を入れると、貸付額は約1.4%増となる。
国家銀行総裁-Nguyen Van Binh氏は、経済成長率が低さこそ、現状一番の課題である、と言い、企業の財政状況が悪化し、財政力が弱まっている中で、貸付成長率が低くなっている、と述べた。
経済専門家-Nguyen Minh Phong氏は、「金利が高すぎて、企業は借入を断念せざるを得ない。一方銀行も、不良社債を恐れるために、企業への貸付を渋っている。」と述べた。
現在、預金金利は年9%に引き下げられたが、貸付金利は高い状態が続いている。いくつかの銀行は、企業に対して優遇金利制度を適用すると発表したが、現時点で、年利13%で資金借入を行っている企業もある。ただ、こうした企業は元気なもので、借入しなくても良いぐらいのところである。
現在各銀行とも、不良社債問題の解決を急ぐあまり、新規貸付にまで手が回らないのが現状である。
Vietnamnet.vn 2012年11月12日