Vinashinの負債額が80兆VNDに上っている。また、Vinalinesの負債は40兆VND、
Song Daグループは解散されたが10兆VNDの負債を抱えている。
財務省は、2011年12月31日までの国営企業の負債額について、1,292.4兆VND、前年同期比18.9%増となることを明らかにした。
負債額/株主資本の割合が2011年に平均1.77倍に達した。特に、国営企業30社については、その比率が3倍以上にもなるという。さらに詳しく見ると、8社が10倍、10社が5~10倍、12社が3~5倍に上るとのこと。国営企業全体の株主資本/総資産の比率は0.34倍、負債額/総資金は0.62倍である。2011年の報告では、総資産/借金は1.62倍であるとのこと。国営企業の活動が借金に大きく依存しており、財政経費が大きく、清算能力が低いことが分かる。
国営企業の借金の中でも、返済期限が経過しているものが多く、ベトナム電力グループ(EVN)で10.149兆VND、石油グループで1.731兆VND、ベトナムタバコ会社で4,670億VND、第6交通施設整備会社が1,280億VND、野菜・果物・農産物会社が300億VNDといった状況にある。特に、現在国営会社が国の不良債権全体の40%を占めているが、保証財産がないため、銀行も資金を回収できない状況だ。これまで、国営企業は簡単に銀行から借入れを行うことができた。通常担保もなしに、借金はできないが、国営企業に限っては、大量の資金を借入れ、回収見込みの低い案件に投資し、展開スピードが遅くても成立してきた。さらに、国営企業は外国機関からも多額の借入れを行っている。具体的には、EVNが99.260兆VND、ベトナム航空会社が24.027兆VND、と言った状況だ。外国から借入れを行う際、企業が返済できない場合は財務省が企業に代わりに返済することになるのだが、その場合は、各企業が財務省に返済を行う義務が発生する。実際財務省は、ベトナム製紙株式会社に代わって、外国への返済を行っている。しかしさらに、ベトナム工業建設公社、Song Daグループ、セメント工業公社のなどでも、政府保証で外国機関から10,970万USDの借入れを起こしているが、返済が困窮している状況だ。
財務省によると、上記企業は今後5年のうちに財政再建を行い、財務省への返済を行うことを約束しているという。しかし、約束が守られる可能性は低い。国営企業が返済できない場合、その負担は政府に頼るしか方法がない。これまでも、Vinashinでは返済が延期され、その一部が政府負担に移行している。先日も政府は、EVNに10兆VNDを返済するための社債発行を認可した。石炭・鉱山グループ(TKV)は、Boxit計画実施のために3億USDの借入れを起こしたが、実際には実行に移せない状況であるという。2013年は国家予算も大変厳しいものになることが予測されているが、既に、大規模国営グループ5社に対し、合わせて3.7兆VNDの資金貸付けをしなければならない。国営企業の借金の一部は、既に不良債権と化している。しかし、これまで政府管理機関と国営企業の間で、こうした負債の処理方法については、具体的な提案がなされたことがない。Vinashinの場合、約2年で再建しているが、借金整理に関する具体的な数字はまだ出ておらず、また、その見込みもあいまいだ。ただ、国営企業自身の危機感は薄い。赤字になり、返済ができなくなっても、いざとなれば政府の救済が見込めるからである。さらに、実行できない投資計画があっても政府に返せばよいという腹である。行き詰って、企業が倒産に追い込まれても、政府が対策を打ち出し、助けてくれるものとたかを括っているのだ。