放射性セシウムなど放射性物質が「見える」特殊なカメラを、三菱重工業が来年2月にも発売する。宇宙航空研究開発機構と共同開発した技術の応用で、持ち運びも可。効果的な除染などに活用できるという。
宇宙機構がX線天文衛星「ASTRO―H」に載せる観測装置の技術を使っている。2種類の半導体センサーで、セシウム134などの放射性物質から発せられるガンマ線の方向や強さを測り、実際の景色に重ねて映し出す。
視野角は180度で、最長30メートル先まで写せる。重さが8キロあり、価格は数千万円もするので個人利用はあまり想定されていないが、自治体などの導 入を見込み、使用期間を限ったリースも検討中。宇宙機構の高橋忠幸教授(宇宙物理学)は「屋根など高いところも測定でき、効果的な除染につなげられる」と 話す